穴窯体験

2005.12.10〜12.11

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今日は楽しみにしていた穴窯体験。三人ずつのグループ編成で4グループ作り、交代で薪を炊く。昼間は3時間、夜は2時間の当番制だ。一週間前に作成した作品が素焼きをされて、窯詰めされ、12月7日夕方より火が入れられて、私達が行った時は既に1122℃に達していた。要するに私達はハイライト部分の穴窯体験というわけだ。それでも、十分、窯炊きの充実感を味わうことが出来ました。その様子をチラッとご覧下さい。

一回目窯当番12月10日(土)
13:00(1122℃)
13:45(オキの掻き混ぜ)
14:00(1130℃)温度が上がらなくなったので、小さめの薪を5本一度に入れた。
15:00(1135℃) 炊き口前のレンガを取り除いて風を入れる。
15:10(煙突の空気を遮断するが、すぐ閉める)
15:40(1150℃)思わず拍手!
16:00(1149℃)この時点で次の当番に引き継ぐ

想像したより立派で大きな穴窯だった。
まるで機関車みたい
煙を吐いてシュッシュッポッポ!

後ろの煙突からモクモクと煙が・・・
この時点で1130℃

各グループごとに中炊きをやるので、
用意していた薪が足りなくなる心配が出てきて、
急遽薪割りをする。
赤松の輪切りになっているものに、楔を入れて
斧で割る。これが大変なんだよね〜!
私は見てるだけだったけど・・・・
【中炊き】普通は「大炊き」と言って一度に50本位の薪を
入れて沢山の灰を降らせるが、今回は各グループの体験の
ために、30本位の薪を入れたので中炊き

炊き口の蓋を開けたところ。
中では思い思いの手作りの作品が
1130℃の温度に耐えているんですね!


二回目窯当番12月11日(日)
01:00(1150℃)この時点で前任者から引き継ぐ
01:30(35本の薪を一度に入れて中炊きをして、煙突を閉める。10分後開く)
02:00(1152℃)
03:00(1170℃)この時点で次の当番に引き継ぐ

35本の薪を一度に入れて中炊きをする。
炎が夜空を染めてなんて幻想的なんでしょう!
 

炊き口の鉄の蓋も真っ赤になっています。
1150℃からどんどん温度が上昇していきます。
午前一時過ぎ、
すべての物が動きを止めたかのような闇の中で、
薪のはじける音だけが甲斐の山に響いています。




 



三回目の窯当番12月11日(日)
09:00(1180℃)
09:30(1190℃)
10:00(1196℃)
10:03(1200℃)これより一時間1〜2℃の変化は有れど1200℃をキープする
11:15(火止め)
11:30(終了)ご苦労様でした。眠いよ〜!

一夜明けて、
その後の温度変化が気になりながら、
窯場に急いだ。風除けのシートが
昨夜の冷え込みを物語っている。
三度目の窯当番で薪を放り投げる技も
板についてきましたよ。右に、左に、
手前に、横に、縦に、
と投げられるようになりました。でも、顔の熱さには慣れない。お肌のために悪いよね!海水浴の翌日のように火照ってる!

10:03、目的の1200℃に達すると
全員安堵のため息!
薪も残りわずかとなっていたのでこのまま
薪がなくなるまで温度を下げない様に
維持しなければならない。

1200℃証拠の写真です。

1200℃の窯の中
上手く灰を被っていればいいけど・・・・

目的の温度に達したので、余裕が出てきて、
マシュマロに兆戦!

炊き口のオキにかざしてあぶると、あ〜ら不思議、表面が解けて、まるでカラメルをまぶしたマシュマロのようでチョー美味!

いよいよ薪もなくなってきたので
耐火モルタルを練って
そろそろ火止めの準備にかかります。

今回の穴窯の耐火煉瓦です。普通のレンガだと真っ黒になって墨になってしまうんですって!

1〜2℃の温度変化を繰り返しながら、ほぼ、1200℃を一時間の間キープして・・・・
   

炊き口をレンガで蓋をします。

レンガの隙間をすべて耐火モルタルで埋めて密閉します。

レンガの隙間からもれる炎を見ていると、窯の中に大事なものを忘れているような気がしてならない。それはきっと自分の心が、
窯の中に残ったままだから・・・・かも・・・


二人で息を合わせて、温度計とにらめっこしながら、薪をくべる。温度が一度下がった瞬間窯の口をあけて薪を左右から二本瞬時に投げ入れる。1000℃以上の火力が吹き出てきて顔が暑い。木綿の衣服と皮手袋で重装備。顔はバンダナで熱から守っている。薪をくべると同時に温度が上昇して来る。穴がまの上に開いた穴から炎が吹き出てくる。温度計が2℃ほど上昇して又、一瞬下がった時が次の薪を入れる頃合だ。温度が下がるのを予想して瞬間薪を投げれ入れなければいけないのだそうだ。熟練者は温度計を見なくても窯から上がる炎の状態で薪を投げ入れるタイミングが分かるらしい。

窯炊きはとても寒いので防寒対策は十分に・・・と経験者から聞かされたので、いろいろ考えた結果スキーのウェアに身を包み、ナイロン製の衣服は熱に弱いのでなるべく木綿の物を、というので木綿のシャツを上からはおり、身動きできない状態!窯の前にいると意外に暑くて心配したほどでもなかった。ホカロンもいっぱい用意されていたのに誰も使ってないみたいだった。窯場には日本酒やワイン、山海の珍味が並び、燃える炎を見ながらチビリ、チビリと思っていたのに、とてもとても・・・何しろ温度計とにらめっこしながらの窯炊きは、あっという間に二時間三時間は過ぎて時間の経つのが早いこと!

窯って生きてると感じた。薪を入れるたびに反応して火力が変化する。気持ちを込めて薪を投げ入れないと窯もそっぽを向いて言う事を聞いてくれない。すねたように、温度が上がらない。ほんとに火に弄ばれた二日間でした。火入れしてから89時間焼かれ続けた作品達はどのようになっているのでしょうか・・・・一週間待って窯出しです。


そして一週間後、窯場に着いた時には作品はほとんど出ていてダンボールに詰められていた。遅かったか〜!自分のも見てないので心配でならない。上手く灰を被ってくれたかな?どんな風に出来上がったかな?対面するのが怖いような楽しみのような複雑な気持ち!

窯から出てきた作品達、全体的に今回の穴窯の焼き具合は余り良くなかったらしい・・・・どうして?あんなに頑張ったのに・・・・

温度計は−5℃を表示している。火が燃えて無いと寒い場所だと分かった。

作品が出てしまった後の窯の中。こんな風になっていたんだ・・・
出来上がりの作品が手元に届き次第、
写真をアップしたいと思います。
年が明けてからになると思います。
・・・・・ドキドキ・・・・・


そして・・・・
窯から出てきた作品たちは、こちら

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