鳳凰三山
地蔵岳2764m    観音岳2840m    薬師岳2780m 

2004.07.18〜20

赤矢印が行程です


7月18日(日曜日)
カーナビに導かれて山道を随分走ったけど、目的の「青木鉱泉」の標識が全然見当たらなくて、内心不安になってたところに、やっと有りましたよ!右に行けば「御座石鉱泉」左「青木鉱泉」。ヤレヤレ一安心。
大規模な小武川の工事現場を過ぎると登山客の車が所狭しとアチコチに止めてあった。こんなにいっぱい山道を登ってきたんだ。酷い悪路だったのに・・・・
帰りに解ったことだけど、新しい道路を我家のカーナビが知らなかったようだ!
午後4時  青木鉱泉着
宿の前には休憩用の椅子が有って、沢山の登山者が休んでいた。下山して来たわりには皆元気そうだ。食事は山菜の天ぷらや、鮎の塩焼き等、美味しかった。外のテーブルで宴会が始まったグループも居た。お風呂はお湯と水の蛇口が離れ過ぎていて、使いにくいし、シャワーも無かった。イカン、イカン!つい不満が出てしまった。山小屋でお風呂には入れるのは贅沢の極みなのに・・・・明朝早立ちなので、早々と就寝。部屋はこの建物の右側に有る2階の個室だった。
1泊2食 \10000   生ビール¥800  入湯税
7月19日(月曜日)
朝5時、青木鉱泉の庭から続く「ドンドコ沢登山道」に踏み入れ鳳凰三山回周のまず最初の山「地蔵岳」に向かって出発。小武川の流れを聞きながら進むと、登山道は狭く急な登りになり、今日のうちに薬師小屋まで行くのはかなりハードな行程だな〜と思いながら、空模様が怪しくなってポツポツ雨が落ちてきたので、サラに不安が高まる。
7:40 朝食
8時40分 白糸の滝
ドンドコ沢の水の流れを左に感じながら、時々大きな音は滝の落ちる音だなと思いながら、このコースは「南精進ガ滝」「鳳凰の滝」「白糸滝」「五色滝」と、滝の名所になっているが、夕べ食事の時に隣の人が滝は「五色滝」だけ見れば充分と言っていたので、時間的に余裕が無いのでその他の滝はチラッと横目で眺めるだけで通り過ぎることにした。
9時30分
五色滝に到着。滝の標識から沢に下りて10分ほど沢沿いに上って来た。途中でほんとにこのまま進んで良いのか不安になりながら・・・

スゴーーーイ!頭上から垂直に落ちる滝はやっぱり圧巻だった。水飛沫の冷気で一度に今までの疲れと汗が退いて行くのがわかった。

滝口からもとの登山道に戻る踏み跡が付いていた。コッチから下りても良かったんだ・・・・と思った。

五色滝拡大画像
10時50分  鳳凰小屋着
鳳凰小屋に着いた時は空模様が怪しくなり、小屋ではあわてて干してあった布団を取りこんだり大忙し。少し早いけど昼食にした。青木鉱泉で作ってもらった握り飯と、ゆで玉子、カップ麺、,コーヒー。御馳走だ〜!
小屋の前には山の水が豊富に流れてきていて、手を切るように冷たい、顔を洗ったらあんまり冷たくて顔が小さくなったようなきがした。
小屋の日本人離れした顔の主人は、登山者一人一人に声をかけている。
突然小屋の主人の大きな声が飛んだ。「そんな所にリュックを置いちゃ花がかわいそうだろ!」降り返れば「スミマセ――ン」と言いながら自分のリュックを花の中から、抱え上げた男性が居た。

そんなこと言われなくても分かれよ〜!山に来る資格無いじゃないか〜と、内心思いながらリュックを抱えてウロウロしている男性に冷たい一瞥を放ち、心の中で小屋の主人に拍手を送った。

今晩薬師小屋に泊まる人は、重たいけど、ここでいっぱい汲んで行かないと駄目だよ!と小屋の主人が大きな声で皆に言っていた。薬師小屋には水が無い?
鳳凰小屋を出発して間もなく、まるで垂直に見える程の急斜面の赤い砂の登山道が、行く手に伸びている。

その先には大石の塊、地蔵岳の通称オベリスクが、どんよりとした空に向かって突っ立っている。これがオベリスクか〜!と砂地の急斜面を2歩進んでは、1歩ズレ落ちながら見上げる。果てしなく続くかと思われた砂地が急に広くなったと思ったら、そこは子授け地蔵が安置されている「賽の河原」だ。12時45分着

一種異様な雰囲気がこの場所だけに漂っている様に感じた。こんな所まで地蔵様を運ぶのも並たいていでは無いだろうに・・・・
賽の河原拡大画像
賽の河原にリュックを置いて、オベリスクに挑戦して見た。近くで見ると石の塊は触るとザラザラと簡単に崩れる花崗岩だ。お地蔵様や、祠のそばを過ぎると急に人を拒否するかのような石組みになってくる。オベリスクの頭の部分を「地蔵仏」と呼ぶそうだが、その首の所まではたどり着いた。それから上には足掛かりになる凹凸も無い。反対側に等間隔に結び目のついたロープが垂れ下がっているのが見えたが、とても登れそうに無い。「お地蔵様の頭に上るなんて罰当たりな事はするべきでは無いな!ヤメヤメ!」と独り合点して諦めた。
【オベリスク】広辞苑より
(ギリシア語で焼串の意) 古代エジプトの記念碑。一つの巨大な 石材で作り、断面は方形、上方ほど細く、頂上だけピラミッド  型。太陽神の神殿の前に建て、柱面には王の事跡などを記す銘文や図案の刻まれたものも多い。方尖ホウセン柱。方尖塔。
        
賽の河原から、向こうに見えるのはこれから目指す観音岳。又しばらく登りが続く。拡大画像

アカヌケ沢の頭
這松の急な登りが切れて大きな石の有る手ごろな休憩場所に着いた。アカヌケ沢の頭だ。反対側の白峰三山(北岳、間の岳、農鳥岳)は残念ながら、分厚い雲の中に隠れていたが、その雄大さは揺るぎ無い姿でそこに有った。南アルプスの懐の深さが今更ながらに感じられる眺めだ。



アカヌケ沢の頭から見る地蔵岳のオベリスクは、又素晴らしい。
アカヌケ沢を後にして観音岳に向かう尾根道は、白い砂で覆われ岩陰にはピンクのタカネビランジやシャクナゲが咲いて気持ちの良い道が続く。拡大画像

降り返れば木の間から地蔵岳のオベリスクが空に屹立している。
観音岳頂上 15時
頂上そのものはどおってことの無い石の集まりだった。一等三角点は、標識の少し上で石の間に倒れていた。
これから行く薬師岳の向こうに富士山が頭を出しているのが見えた。
観音岳から薬師岳に向かう尾根道はなだらかで右側に白峰三山、左に富士の裾野に広がる町々を眺めながら白砂の道が富士山に向かう様に伸びて、他の山では味わえない日本庭園的な美しさが有る。パノラマ画像
薬師岳頂上
頂上と言っても平坦な白砂に覆われた白砂清祥と言った感じの穏やかな雰囲気の場所だ。標識が無かったら頂上だとはわから無いだろう!
薬師岳から五分ほど下った場所に今夜の宿泊の「薬師小屋」が有る。
富士山が綺麗だ!
拡大画像
薬師小屋 16時着
受付を済ませると寝床の場所まで案内してくれた。梯子を登って屋根裏の隅だった。立ちあがれないほどのスペースだ。それでも一人分の布団に寝れるからまだ良いほうらしい。やっぱり顔を洗う水も無いので、トイレの水でタオルを濡らして、汗になった体をふいた。カルキの匂いがきつかった〜!水はいっぱい持っていたので、安心だ。夕食は「おでん」だった。結構他の皆さんが残して余っていた。
1泊二食¥7800
7月20日(火曜日)
4時半起床、5時の朝食までしばらく時間が有るので、滑り安い梯子を降りると、早立ちした客の布団が畳まれてあった。外は天気は良いが風が強くて体感温度がかなり低く感じる。朝食の味噌汁は美味しかった。 6時15分薬師小屋出発10分ほど薬師岳に上り返して下山に中道コースを取る。薬師岳から見た朝の富士山は素晴らしかった。中道コースは急な落差を下るハードなコースだと聞いていたので、最初のうちは膝を気にしてゆっくりと下る。それでも1時間も下ると膝に違和感を覚えて、落ちていた木切れを拾って即席ダブルストックで、時々はバックウォーキングで下る。このバックウォーキングが膝の為には良いんですよね!中道コースはひたすら森林の中を下るのみ、木の間から時々見える、麓の町の景色がだんだん近くなっていくので大分下りたのだなって解る。途中に巨大な石が有ったがゆっくり見ている余裕は無かった。川の流れの音が聞こえ出して間もなくストンと林道に降り立った。林道は急に明るくて眩しく暑い。疲れた足に林道歩きは辛い。ものすごく長く感じたけどやっと、小武川にたどり着き川の水で顔を洗って川を渡り青木鉱泉にたどり着いた。

青木鉱泉10:00着
青木鉱泉のお風呂は¥1000なので、少し車で走って、小淵沢インター近くのスパティオの「延命の湯」に入った。断然コッチが良いよ!¥600だし・・・・・イカンイカン又比べてしまった。
今回の鳳凰三山は前日に鳳凰小屋に泊まって次の日の行程を楽にする予定だったのだが、電話で問い合わせたら、いっぱいと言うことで青木鉱泉前泊になった。11時間の行程は久し振りだったので、精神的に余裕が無く、充分のんびり出来なかった事が心残りだ。それでも何年振りかで薬師小屋のような、いかにも山小屋らしい雰囲気を味わう事が出来て良かったとおもっています。地蔵岳から薬師岳にかけての空中散歩は他の山では味わえ無い位素晴らしく人気の秘密がわかりました。
鳳凰三山で出会った花達(クリックすれば画像が大きくなります)

ヤマユリ

シナノナデシコ


タケシマラン

クルマユリ

タカネビランジ

ミヤマシャジン

シャクナゲ


シロバナタカネビランジ

オカトラノオ

シナノナデシコ

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